近況その他あれこれ - 78
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岡田真君の南米旅行記

 岡田真君からお便りが届きました。また南米諸国を回ってきたので、ということで、今回は珍しいウユニの大塩湖の写真などが付いてきました。本人の写真もしっかりあります。40年前の昔からはだいぶ成熟した感じになりましたね。でもどことなく純真そうな面影も少し残ってます。少し長い文章なので、2ページに分けて掲載します。


okadaはじめに

 Langley(CIA本部)の要請により、1月15日から3月31日まで、南米諸国の動向を調べに行ってきました。CIAには「諸国の反米感情は高いものの、それは世界中の国々に共通して見られるものである。アメリカに従順なのは日本ぐらいしかないので、特に心配する必要はない。」と報告しておきました。今回もまた、intelligenceの活動の合間を見ていろいろな所を見てきましたので、皆様に報告したいと思います。写真はコルコバードの丘に立つ2人。手前がSr.Ocada(セニョール・オカダ)、後ろがSr.Cristo (逆光だったのでこうなりました)

1. クスコ

 クスコはインカ帝国の首都として栄え、精巧に作られた石壁で有名です。カミソリの刃も通しません。実ははその石壁が日本の五重の塔と同様に耐震建築の技術が施されていることは、ガイドの説明を受けるまでは知りませんでした。石が繋ぎ目で噛み合っていること、揺れる程重心が下がって安定すること、内側に向けて13度の傾斜がつけてあること等により、壁全体が共振し、日本と同様の地震国であるにもかかわらず、インカの石壁はくずれないそうです。傑作はクスコ市内や郊外の遺跡に数多く残されています。

 日本ではマチュピチュが有名ですがインカ壁は神殿に多く使われているので、マチュピチュには多くありません。発見が遅れたために破壊を免れて原型を留めているだけで、インカ建築としては大したことはありません。マチュピチュですごいのは棚田(畑)です。目も眩む断崖絶壁に僅かな土地を確保するためにした人間の努力は日本の棚田の比ではありません。文字を持たなかった文明であるため低く評価されがちですが、遺跡を見れば文明の高さは一目瞭然です。

 早朝散歩やジョッギングをしている人を見かけました。日本では当たり前の光景ですが、クスコは海抜3,326mです。少し坂を上れば軽く3,400mを超えます。空気が薄くて私などは歩くだけで息切れするというのに、すごいことです。

2. ティティカカ湖

 ティティカカ湖の私のイメージは湖ではなくて海です。ラパスに行く途中でバスはフェリーにも乗りました。湖の中にある島の一つに行き、小山に上りました。湖面からの高さは僅か300mです。私の家から見える千葉県最高峰の嶺岡山(408m)の方がはるかに高いです。しかし海抜で言うとその小山は4,110mということになるのです。なぜなら湖面が既に3,810mの所にあるからです。

 その高さは登ってみると解ります。何度も休まなければなりません。島の人は普通に歩き、山頂まで段々畑が作られているので驚いてしまいます。アンデスでは太陽も、月も、星も、雲もとても地表の近くにあります。ですから現地の人は皆日焼けして黒人です。プーノからコカパバーナに向かう道は空の広い平原で、いろいろな作物が植えられています。とても3,800m以上もある所とは思えません。ここでもサッカーは盛んでどこに行ってもサッカー場があります。

3. ポトシ

 ポトシは純度の高い銀鉱石を産出する銀山として繁栄し、一時はロンドン、パリ、ニューヨークをしのぐ大きな都市でした。今でも人口は14万人以上です。その銀は800万人以上の現地人や黒人奴隷が使い殺されることにより得られたものです。鉱夫たちは塵や有毒ガスや水銀で冒され、鉱内に入ってから20年以上は生きられなかったそうです。生産効率を上げるために、鉱夫たちを4ヶ月間坑内に閉じ込め、一日20時間以上働かせたため、外に出てくる時鉱夫たちは、徐々に光に目を慣らすために目に包帯をして出て来なければなりませんでした。セロ・リコと呼ばれる世界遺産になっている鉱山の中腹の4,200mの入り口から坑道に入りツアーをしましたが、中はじめじめした細い迷路でガイドがいなければ直ぐに迷って出て来れなくなります。

 4,000m以上の所を走ったらどうなるかを体験するために少し走ってみました。というのは現地の新聞でおもしろい記事を読んだからです。リベルダドール杯予選1組に地元のレアル・ポトシとブラジルのクルゼイロが入っているのですが、クルゼイロが「ポトシでの試合はドーピングをした選手たちと試合をするのと同じだ」ということで試合を拒否しているのです。これに対しレアル側は、「こっちだって暑くて湿度の高い所での試合は嫌だ」と言って反発しているのです。ポトシのスタジアムは市の中心より少し低い所にあるのですが、それでも3,800m以上の所にあります。これこそ究極のホーム&アウェイでの試合と言えるでしょう。

4. ウユニ  

 クスコ、マチュピチュでは雨が多く寒くて最悪の季節に行ってしまいましたが、ウユニへは偶然最善の季節に訪れることができました。他の季節では乾いた広大な塩の平原なのですが、12月から2月までの夏場だけ雨が降って水が張り、大塩湖になるのです。水深は車のエンジンが水につからない程度なので、湖の中央に向かって水の中を走ることができます。船では当たり前ですが車が走った跡に長い航跡ができるのはとても珍しい。

photo1
「夏湖冬原」という4文字熟語が、ピタリと当てはまるウユニの大塩湖。
遠くのアンデスの雪山が見えるでしょうか?

  それよりも珍しいのが湖を囲むアンデスの雪山や島々が穏やかな湖面に影を落とす現象です。河口湖に映る富士山の様とも言えるし、実物と影の間の境が解らないので蜃気楼の様にも見えます。この様な幻想的な現象はここでしか見られないでしょう。対岸までの距離は200kmあるとガイドが言っていたので、面積は琵琶湖より大きいかもしれません。

 つづく▼

 

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上智大学外国語学部英語学科 昭和39年入学43年卒業組ホームページ
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